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2008年02月17日

映画『L change the WorLd』(08/2/10)

「L change the WorLd」
原題「L change the WorLd 」/2008年日本/128分

【監督】中田秀夫
【脚本】小林弘利
【原作】大場つぐみ/小畑健
【音楽】川井憲次
【出演】松山ケンイチ/工藤夕貴/福田麻由子/南原清隆/鶴見辰吾/高嶋政伸

【あらすじ】
 デスノートを使い新世界の神になろうと目論む夜神月との最終決戦に臨んだL。やがて、彼の究極の選択によってその壮絶なキラ事件に終止符を打ったが、一方でLが最も信頼できるパートナー、ワタリを失ってしまう。同じ頃、タイでひとつの村が焼き尽くされ消滅。それは世界の崩壊にも繋がる大事件の予兆だった。
 ある日、Lのもとに、ワタリ宛ての贈り物として一人の幼い少年“BOY”がやって来る。そして彼がタイで消滅した村の唯一の生存者で、その裏では、人間の手で作り出された“死神”を巡って不穏な動きがあることを知らされる。またさらに、真希という少女がある物を携えワタリを訪ねてくるのだが…。

【感想】大いにネタバレの上、酷評です。
 とにかく色々な意味でヒドくて駄目な映画。

 まずデスノートである必然性がまったくない。
 デスノートからの登場人物はLとワタリ、それと冒頭にナオミが出てくるぐらい。日本での大事件なのだから、警察の矢神父こと矢神総一郎が出ないのは明らかに不自然。劇中、何度矢神父に連絡しろよと思ったことか。
 そもそもLがまったくLらしくない。
 原作では、キラと頭脳戦を繰り広げるぐらいの天才で、テニスも得意、カポエラの使い手と運動神経も抜群、金は腐るほど持っており、FBIもこき使えると、万能過ぎるキャラ。それが映画では、多少切れ者だけど行き当たりばったりで、猫背で甘いモノしか食べず、引きこもり気味の変なキャラで、原作のLとは似ても似つかないキャラになっている(これは松山ケンイチの問題では決してない)。

 では原作とは別物としてこの映画を観たとしても、やはり駄目なことには変わりない。
 脚本が本当に駄目駄目。
 シーンとして見れば問題なくても、シーンを繋ぎ合わせると、途端に矛盾とツッコミどころ満載になる。その場その場のインパクトのみを優先して、話を作ってるとしか思えない。
 一例を挙げると、L達が電車に乗って移動していたところ(そもそも何故電車に乗ったのか明確な説明はない)、殺人ウィルスに感染した同行者である少女の事を報道され、電車内がパニックとなる(そもそもこのシーンもおかしい。ワンセグで報道を見ていた乗客が少女に気付いて慌てて逃げ出すのだけど、報道を見ていなかった他の乗客まで逃げ出すのは明らかに変)。そこで人々の目を避ける為、Lが取った手段とは……自転車による移動だった。
 これは、Lが自転車に乗るというインパクトだけで思いついただろうことは明らか。
 殺人ウィルスに感染した人間が外をうろついてるわけだから、関東一円が大パニックになり、警察の検問など半端じゃなくなると思うのに、そんな描写はさらっと流して、L達がピンチになることがない。結局、後の話に何の影響も与えずに終わってしまう。
 そんなインパクトのみで、後から考えると何の意味があったのかと思ってしまうシーンが満載で、この映画のL同様、行き当たりばったり。誰か脚本を通して読んで、おかしいと思わなかったのかと不思議でならない。

 そんな中でも、松山ケンイチの演技は光っていて、この駄目な映画の唯一の救いと言って良い。それでもデスノートのLとは似ても似つかぬキャラなのが残念すぎる。
 キャストで一つ言っておかないといけない事が。
 南原清隆をFBI局員にキャスティングしたのは誰だ?(苦笑)
 Lの隠れ家が襲われ、逃げだそうという時に、颯爽と現れるFBI局員がナンチャンって、あり得ない。しかも寒いコントを繰り広げられると、今までのシリアスな展開は何だったんだと、苦笑する他ないかと。
 お笑い担当なら、デスノートには松田さんという適任がいて、松田さんの方がよっぽどデスノートらしくなったと思うのですが……
 ナンチャン一人浮きまくってて、このキャスティングは正直理解に苦しみます。

【総括】15点
 色々と書いたけど、これでもまだ書き足りないぐらいだったり。
 それほどまでにツッコミどころ満載な映画でした。
 話もヒドイのだけど、実はもっと致命的なのは登場人物の心理描写。
 ここでは詳しくは書かないけど、クライマックスの飛行機内での破綻っぷりはそれはもう酷かった。何故そんな事言い出すのか分からないぐらい、唐突なやりとりでした。
 もっとも、あのクライマックスは何もかもデタラメだったけど……

 デスノートのスピンオフ、しかも松山ケンイチのLが主役という時点で、大ヒットは約束されていたはず(実際にそうなりつつある)。
 そこにあぐらをかいて、手抜きしたとしか思えない出来でした。
 「どんな天才でも一人で世界は変えられません」などの台詞は耳障りは良いものの、それはこの映画のLが発したからではなく、デスノートのLが発したからそれっぽく聞こえるだけ。つまり、この映画単体からは何も感じるモノはないということ。
 スピンオフとして駄目で、映画としても駄目なら、一体この映画は何だったのだろうか。。。
posted by ミハイル暁 at 10:39| Comment(7) | TrackBack(5) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント

コメントを頂き恐縮です。m(__)m
ミハイル暁さんほどシビアではありませんが、中田監督で良かったのか?南原さんは完全にミスキャストでは?と言う感想でした。それ意外は意外と(いくつかの矛盾点はさておいて)松山ケンイチさん・工藤夕貴さん・佐藤めぐみさんの演技を楽しめました。同じような感想をお持ちだと思ったのですが・・・・・。申し訳ありませんでした。
ではまた立ち寄りさせて頂きます。m(__)m



Posted by “どん”ちゃん at 2008年02月18日 22:58
こんばんは(^^)
TB&コメント、ありがとうございました♪

私も、この映画の内容には、
デスノートのスピンオフ映画にする必要性が
全く感じられませんでした。

もしかして、Lを主役に起用したB級ホラー的な娯楽映画?
と疑問を抱きながら観ていたら、
突然、ナンチャンの顔面アップが登場!

本当にズルッ…と、きました。

物語もキャスティングもキャラクターも、
もう少し、何とかして頂きたかったモノです。
Posted by テクテク at 2008年02月18日 23:52
うちの娘は、「Lがお菓子を食っているシーンが観たい」という、ただそれだけの理由で、この映画を観たがっているのですが…。
もしや、この映画はそういう小学生向けに作られた映画なのでしょうか(−_−;)

話は変わって「キバ」ですが、新フォーム(ガルルフフォーム)の必殺技が『銀牙〜流れ星銀〜』の忍犬っぽくてなかなかイイカンジです。
(手を使わずに、わざわざ口に剣をくわえて突進するあたりが。)
Posted by 更紗 at 2008年02月19日 14:24
▼“どん”ちゃんさん
丁寧なコメント、有り難うございます。
登場人物の演技は一部を除き悪くなかったと思います。ただ物語を愉しめたかというと、途中からは違う意味(ツッコミ視点)で愉しんだ、というのが正直なところです。
ただTBの件は申し訳ありませんでした<(_ _)>
こちらからTBさせて頂きますので、もし宜しければ張り直して頂ければと思います。

▼テクテクさん
コメント有り難うございます。
監督がホラー畑の中田秀夫監督なので、そういうアプローチもありだと思うのですが、明らかに浮いてると思いました。ウィルスで死んでいく描写はくどく、気持ち悪かったですしね。
物語もオーソドックスに作れば良かったと思うのですが、奇をてらうのだけに固執して、全てが台無しになったような印象を受けました。

▼更紗さん
小学生にはあんまりオススメ出来ないですね。
ウィルスで死ぬシーンはかなりグロイです。何か方向性が変だよなぁ、この映画は。
Posted by ミハイル暁 at 2008年02月19日 20:09

TBを頂きありがとうございます。
さて、次のスピンオフ(恐らく、BOYが主役?)を楽しみにしている人はどれくらいいるのだろうか疑問ですね。
また、立ち寄りさせて頂きます。m(__)m

Posted by “どん”ちゃん at 2008年02月20日 10:38
忘れたころの書き込みになっちゃうと思いますけど、この前テレビ放送にてこの映画みてまさに同じ感想でした!!!!!!!!

説明不能の意味不明さに逆に見入ってしまいました(笑)
Posted by ふぁざーまっかー at 2009年01月18日 14:00
▼ふぁざーまっかーさん
コメント有り難うございます。
確かに、見入ってしまいますよね。ツッコミどころが多すぎると(笑)。
Posted by ミハイル暁 at 2009年01月19日 22:19
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Excerpt: 映画『DEATH NOTE デスノート』に登場した「L」を主役にしたスピンオフムービーです。
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【2008-32】L change the WorLd
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