でも将棋を軸にして、家族の物語を丁寧に描いていて、そして見事に完結させている。
これは原作者の羽海野チカが当初描いていたラストだろうし、原作者冥利に尽きる幸せな実写化だと正直思う。
前編と同じく、役者陣の演技は素晴らしかった。特に、原作でも屈指の名シーン「泣きじゃくるひなたに対して、膝をついて、恩を返すと零が誓いを立てる」ところは素晴らしくて、ボロボロと泣けて仕方がなかった。このシーンだけでも実写化した意味があると思う。
この映画は、原作ファンにこそ観て欲しい。確かに後半はオリジナルの展開だし、ラストも未だに描かれていない結末を迎える。でも将棋と家族によって少年が救われる物語だ。血の繋がらない家族との物語だ。今、原作で描いているものと違いはないとそう思う。