2015年11月03日

『顔のないヒトラーたち』(シネ・リーブル梅田★★★★1/2)

 1958年ドイツではアウシュヴィッツの虐殺が知られていなかった、という事実に驚き。正義を貫こうとする若い検事により、その事実が日の目を見る、アウシュヴィッツ裁判までを見事に描いている。
 今だからこそアウシュヴィッツの虐殺は知れ渡っているが、初めて自国の闇を知った主人公たちの心中を考えると、やりきれないものがある。まさしく『深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ』という言葉通りだろう。
 ただそれを単に善悪で切り捨てず、闇はどこにでもあるとしているのも良い。
 またアウシュヴィッツ裁判に至るまでの史実も興味深いが、人間ドラマとしても良い。
 ドイツ国内の臭いものには蓋をしようとする反応、被害者たちの思い出したくない過去と対する苦悩、望まず加害者になってしまった者の深い後悔、ナチスはどこにでもいたのだという事実を突き付けられる展開など、それらを絡ませた脚本は見事。
タグ:映画
posted by ミハイル暁 at 23:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画の一言感想 | 更新情報をチェックする
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