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2006年12月11日

映画『デスノート the Last name』(11/3)

「デスノート the Last name」
原題「デスノート the Last name」/2006年日本/114分

【監督】金子修介
【脚本】大石哲也
【原作】大場つぐみ&小畑健『DEATH NOTE』
【出演】藤原竜也/松山ケンイチ/戸田恵梨香/片瀬那奈/藤村俊二/鹿賀丈史/中村獅童

【あらすじ】
 死神が地上に落とした“デスノート”を拾ったのは、天才的な頭脳を持つ大学生、夜神月だった。刑事局長を父に持ち、強い正義感に貫かれた月は、ノートを使って凶悪犯を粛清し、自らの手で理想の世界を創りあげようと決意する。人々の間でささやかれ始めた救世主「キラ」の存在。
 一方、一連の「キラ事件」を解明するためにICPO(インターポール)が送りこんできたもうひとりの天才、通称L。神がかり的な推理力でキラの正体に迫ろうとするLに対し、知略を尽くして捜査網から逃れようとする月。そして、2冊目のノートが舞い降りる…。

【感想】
 いや、面白かった。
 前編がかなりイマイチだったので、そんなに期待してなかったのですが、ここまでとは予想外です。
 但し、一つだけ前提があります。
 それは原作の漫画をきちんと読んでいる事です。
 後編を観終えてから原作に手を出そうとしている人もいるかと思いますが、悪い事は言いません。お先にお読みなさい。後で読むと絶対に後悔します。
 何故なら、この映画を十二分に楽しむためには、原作を知っておく事が絶対条件だからです。
 この映画単体でも面白いのは確かですが、話を詰め込んでいる上に、駆け足な事から、やや説明不足です。そして何よりも原作とは違うラストシーンを驚くには、当然原作のラストを知っておく必要があるからです。
 また原作の第一部だけではなく、第二部も読んでおく事をオススメします。
 ライトに会うために大学に来たLが着けていたお面や、ラストの方でLが良く食べていたモノなど、第二部を知っていればニヤリとする場面が多いのも、この映画の特徴でしょう。

 物語は、ライトとLが邂逅し、第二のキラ、第三のキラと話は盛り沢山。
 詰め込みすぎなのは否めませんが、前編と違い、演出にメリハリがあるのでテンポが良いです。またライトとLの直接対決がメインなので、お互いの反応を観てるだけでも面白いのも、また確か。原作をなぞらえているだけにしか見えなかった前編とはえらい違いです。
 特筆すべきは、やはり松山ケンイチのLでしょう。
 前編ではLのコスプレにしか見えなかったのに、この後編ではまったく違和感が無くなっていました。如何にもな行動や喋り方も良かったのですが、次の場面ではどんな甘いモノを食べているのかが楽しみでした(笑)。
 正直、松山ケンイチの熱演なくして、この後編はなかったでしょう。
 あとは、鹿賀丈史の局長が、原作の不遇を吹き飛ばすかのような美味しいとこ取り。さくらテレビ突入ももちろんですが、最終対決付近も格好良かったです。やっと正義の人も報われたなぁ。
 ミサミサは……終わってみれば、普通に良かったような気も? いや、前編の料理シーンを観てしまうと、後編そのものを台無しにするんじゃないかと、びくびくものだったですからねぇ。
 しかし、ミサの監禁シーンは気合い入ってました……さすが金子監督だ(笑)。

【総括】80点(ネタバレ注意!!)
 良く出来ていたと思います。
 前編に不満があった原作ファン(私もその一人です)も、満足したのではないでしょうか。
 正直この映画単体では、手放しに誉められないのが、ちと気になるところですが。

 以下、大いにネタバレ!!!!!!!!
 観に行く予定の人は、ここから先は読まないように!



















 結局のところ、あのラストがどうだったかでしょう。
 私は驚かされ、納得したクチなので、全然オッケーでしたが。
 あのLが倒れるシーンを観た時、「L死亡は変わらないものの、何か仕掛けがあるのか!?」と必死に先の展開を予想しましたが、まさかああくるとは。
 デスノートの使い方は、冒頭で説明しているので、あの使い方も反則ではないです。一つだけ腑に落ちないとすれば、「果たしてLがあんな使い方をするだろうか?」ですね。言い換えると、原作版のLはあのような行動を本当に実行するだろうか、でしょう。
 映画版を観る限り、そこまでキラに執着しているようには見えなかったのですよ。逆に、原作版だと『試合に負けて勝負に勝つ』という手段を取るほど、切羽詰まっていなかったのでは、と思いもします。
 そこに少し違和感があるように感じましたが、でもこれはこれで、ありな決着かなぁと。

 あと、原作ではあり得なかった、局長とライトノ対決は見物でした。
 自分の息子ですら、真っ向から否定する局長の姿は、ある意味、原作ファンが観たかったシーンでしょう。ライトの部屋を捜索した局長が、六法全書を見つけて、回想するシーンもあるので、前フリもばっちりでしたし。
 その局長が、Lに別れを告げに来るシーンは、しんみりと。
 無言の敬礼でLの元を去るというのは、とても良かったです。何というか、凄い日本人好みなシーンですよね(笑)。
 それだけに、一年後を描いてしまったのは、蛇足だったような気が。
 キラとLの対決がメインである以上、二人が退場した時点で幕を下ろした方が、すっきりしたと思いましたね。これはちと残念でした。

 後もう一点残念なのは、夜神月が極めてアクトして描かれていた事です。
 前編の恋人殺しに続いて、後編では父親も殺そうとしたぐらいですから、最後のライトの演説も狂信者の戯れ言だと一蹴出来てしまいます。前後編で終わらせる必要性や、物語にカタルシスを与える為にも仕方なかったのかもしれません。
 それでも、善悪の押しつけがましいところがないのが、デスノートの魅力だと思っているので、ちょっとしょんぼりかも。

 でもまあ、十分愉しませてもらいました。
 前後編あわせてみると、原作ファンも納得の出来ではなかったかと思いますね。
posted by ミハイル暁 at 01:56| Comment(3) | TrackBack(3) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんばんは、トラックバックありがとうございました。
>一つだけ腑に落ちないとすれば・・・
そうですね。たしかに、Lのノートの使い方には疑問を感じました。原作のラストと整合性を持たせようとしたのでしょうか。
Posted by 狗山椀太郎(旧・朱雀門) at 2006年12月13日 01:33
原作、つい最近に1巻だけ読む機会がありました。
以前にミハイルさんが“原作は映画版前編とは比べ物にならない”とおっしゃっていましたが、その理由がよく分かりましたw
ただ、映画前編でダイジェストなストーリーを知っていたからこそ入っていけたのも私の場合事実だったりします。
(アニメはこちらやってませんorz)

後編は逆に要原作なのですか?これからがんばって読んでみます^^;
Posted by OZMA at 2006年12月13日 13:25
▼狗山椀太郎さん
どうも初めまして、狗山椀太郎さん。コメント有り難うございます。
ノートの使い方は、トリックが先にある感じがしました。Lがあのような事をした理由は色々と思いつきますが(脳内補完?)、やっぱり違和感がありましたね。

▼OZMAさん
漫画はオススメですよ。特に、第一部は先が愉しくてたまりません。
ある意味、映画前編は漫画へ誘う為のモノで、全巻読破した後、映画後編という流れが、正しいのかもしれません。
もっとも、制作者が計画的に仕組んだ流れではなさそうですが(笑)。
Posted by ミハイル暁 at 2006年12月14日 23:49
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