2006年10月08日

映画『LOFT ロフト』(9/16)

「LOFT ロフト」
原題「LOFT」/2005年日本/115分

【監督】黒沢清
【脚本】黒沢清
【製作】ジェイソン・チェ/高田真治/細野義朗/気賀純夫/神野智/石橋健司
【出演】中谷美紀/豊川悦司/西島秀俊/安達祐実/鈴木砂羽/加藤晴彦/大杉漣

【あらすじ】
 春名礼子(中谷美紀)は将来を嘱望されている女性作家。
 現在は恋愛作家小説に取り組んでいるが、思うように進まず、体調にも変異をきたしはじめていた。
 心配した担当編集者・木島(西島秀俊)の勧めもあり、彼女は郊外の一軒家に引越すことを決意する。
 その家は風通しは良いが少し古びており、前の住人の荷物がそのままおきざりにされた状態であった。
 家の向かいには廃屋と思われる建物がある以外は、緑に囲まれた静かな環境に身を置いた礼子だったが、ある夜、一人の男がシ-トに包んだ得体の知れない物体をその建物に運び込むのを目撃する。

 男は吉岡誠(冨川悦司)という名の大学教授で、建物が相模大学の研修所であることを知った礼子は、大学の資料を探す中で、「考古学グル―プが千年前のミイラを沼から引き上げた」という記事を見つける。
 更なる情報を求めて、彼女は友人の野々村(鈴木砂羽)と共に、教育映画社の村上(加藤晴彦)のもとを訪ねる。
 実は彼の会社には「ミドリ沼のミイラ」と記された記録映画が存在していたのだった。
 戦前に撮影されたという映像に、うっすらと映り込んでいるミイラらしき物体。
 しだいに礼子は、その残像に取り憑かれるようになっていく・・・。
 ついに、彼女は研修所に忍び込み、シ-トに包まれた物体の正体を見てしまう。
 それは、長い髪をもつ女のミイラだったのだ。

【感想】
 脱力シーン満載の、怖いんだか笑えるんだが、よく分からない映画。
 雰囲気は、ホラー映画というよりは怪奇映画といった面持ちで、古ぼけた建物や森の中など、ただ何気なく撮っているだけなのに、怖さを感じました。この辺は、黒沢清が得意としてるところで、カット割や画面構成も独特だし、陰影の使い方など上手いなぁと思いましたね。

 話としては、ミイラと幽霊と人間と、三者三様の怖さがありました。
 怖くなるよるように見せるのが絶妙で、ミイラは昔の映像から動き出すのではないかと思わせ、幽霊は安達祐実の怪演で不気味でありながら意表をついてくれたり、人間は……やっぱり怖いなぁと。二度目の「鍵、開いてたよ」の台詞はぞっとした。
 ラブストーリーという側面もあるけど、それはちと弱し。中谷美紀とトヨエツが嵐ヶ丘よろしく抱き合うシーンなど、芝居がかっているので、真剣に見えないんですよねえ。意図してそうやってるのは間違いないですけどね。

 でも、それよりも何よりも、脱力さ加減が楽しかった。
 おいおい、ってツッコミ入れたくなるシーン満載。
 中谷美紀の家にトヨエツがやってきて、「預かってほしいものがあるんです」「何をですか?」「ミイラです」って、やりとりはありえねぇだろう(笑)。
 「あなたなら預かってくれると思いました」そんな馬鹿な。でも預かる中谷・・・。しかも仕事部屋兼寝室に。そんな部屋で仕事も睡眠も出来るかっつうの(苦笑)。
 一番の脱力シーンは、ミイラに突如○○し始めるトヨエツ!
 剛速球すぎて、呆れるのを通り越して、馬鹿馬鹿しかった。逃げないトヨエツすげぇ、と思っていたら、次の行動が○○って突飛すぎるだろう。
 あとラストは……突き放しっぷりがステキでした。

 いやぁ、愉しい映画でした。


【総括】50点
 うん、評価としてはこのぐらい。
 (黒沢清ファンとして)個人的には、すごい面白かったし、愉しかったけど、映画の出来としては、高くない。いや、駄目な部類かもしれない。
 何と言うか、中途半端なんですよね。
 ホラーでもあり、ラブストーリーでもあり、コメディでもあり、という感じだけど、そのどれでもないという位置付けかなぁ。幽霊?である安達祐実が迫ってくる怖さがあったりするのだけど、次のシーンでは窓に張り付かせてみたりするので、脱力しまくる。
 何となく、色々と試してみようという黒沢清の意図が見えるだけに、あまりオススメ出来ないのだけど、黒沢清ファンとしては面白かったなぁと。

 でもまあ、劇場で笑った笑った。
 トヨエツが真面目な顔して言う言動の数々がおかしいのなんの。
 あとは、唐突に警察が現れるシーンとか、大杉漣が金縛りを告白するシーンとか、トヨエツが吐露するシーンの光とか、色々とおかしなシーンが。
 もちろん、おかしさでは「動けるんなら、最初からそうしろ!」の台詞がトップ(笑)。
ラベル:映画 黒沢清
posted by ミハイル暁 at 10:47| Comment(2) | TrackBack(3) | 映画 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
TB・コメントありがとうございました。
そうですね、中途半端でやりたいことが曖昧な印象は拭えないです、部分的にはかなり面白いんですが。
「叫」はどうなんでしょうね、「ロフト」で実験的に試したことがどんな風に生かされているのか楽しみです。(また全然違う方向かもですがw
Posted by lin at 2006年10月18日 01:45
▼linさん
真面目に作れば、本気で怖いホラーでも、コメディ風味のホラーでも撮れたと思うので、少し勿体ない気がしますが、これが今後に活かされるのなら、それはそれでいいかもしれませんね。
しかし「叫」は、あらすじを見る限り、如何にも黒沢清っぽいプロットなのですけどね(笑)。まあ「叫」を愉しみに待ってます。
Posted by ミハイル暁 at 2006年10月19日 07:08
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