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2006年07月22日

映画『サイレントヒル』(7/12)

「サイレントヒル」
原題「SILENT HILL」/2006年アメリカ・日本・カナダ・フランス/126分

【監督】クリストフ・ガンズ
【脚本】ロジャー・エイヴァリー
【製作】ドン・カーモディ/サミュエル・ハディダ
【出演】ラダ・ミッチェル/ショーン・ビーン/ローリー・ホールデン/デボラ・カーラ・アンガー/キム・コーツ

【あらすじ】
「サイレントヒル」― その街に、一歩踏込めば、後戻りはできない・・・

 ローズ(ラダ・ミッチェル)とクリストファー(ショーン・ビーン)は、赤ん坊の頃に養女として引き取った娘・シャロン(ジョデル・フェルランド)の奇妙な言動に悩んでいた。
 ふだんは愛くるしい9歳の少女であるシャロンは、しばしば情緒不安定に陥り、何かに取り憑かれたかのように「サイレントヒル......」と謎の呻き声を発するのだった。
 そんなシャロンの異変に心を痛めたローズは、ウェストバージニア州にサイレントヒルという街が実在することを探りあて、シャロンを連れてその街を訪ねることにする。
 サイレントヒルは30年前に大火災が発生し、無数の人々が死亡した忌まわしい事件により、今は誰も近付かない、廃墟と化した街だった。携帯電話で連絡してきたクリストファーの制止をふりきって、サイレントヒルへと続く狭い山道をゆくローズ。しかし不意に路上に飛び出してきた少女を避けようとした彼女は、車ごと山腹に突っ込み、そのまま意識を失ってしまう。
 夜が明け、目を覚ましたローズはシャロンの姿が消えていることに気づく。
 あたり一面、霧に覆われた道を歩き出した彼女は、「サイレントヒルへようこそ」と記された看板を発見し、全くひと気がなく、不気味なまでに静まり返った街の中へと足を踏み入れる。
 やがてシャロンらしき子供のシルエットを目撃したローズは、その影を追って、街の中を彷徨い始めるのだが...
 次第に明らかになっていくサイレントヒルに隠された忌まわしい秘密。
 30年前、何がサイレントヒルで起きたのか? 
 なぜ、シャロンはこの街に消えたのか?
 そして、想像を絶する恐怖の迷宮に囚われていくローズは、サイレントヒルから抜け出すことが出来るのか─。

【感想】
 これは意外な拾いモノ、面白い。
 ゲームが原作というと、あんまりいい印象がないのですが、これはかなり出来のいい部類ではないかと思いますね。私はゲーム未プレイですが、それでも「あぁ、これは怖そうなゲームだな。やってみたくなるな」という映画でしたね。
 何せ展開が如何にもゲームっぽい。
 いや、これ大いに誉め言葉。
 地下に潜ったから暗いぞ!→ライター持ってた→敵が出てきた→ライター落とした、とか、ナイフゲット→○○○○発見に使用→用済みになったのでイベントで落とした、とか。ほら、如何にもありそうなイベントでしょ?(笑) ゲーマーなものですから、見ていて愉しかったですねぇ。

 それはさておき、サイレントヒルという街とそこに巣くうクリーチャーが素晴らしい。
 まるで霧につつまれた街。しかしそれは霧ではなく、降りしきる白い灰。そしてサイレンと共に世界が真逆になる街。湧き出るかのように出現する気味の悪いクリーチャー。
 ゆっくりと怪異の世界に引きずり込み、気付いた時には逃げ出すことしか出来ない。ヒロインも、そして観客も。
 ババーンと驚かせるのではなく、じわじわと浸食させていくやり口は、いやはやお見事。
 良質のホラー映画でした。

【総括】75点(ネタバレ注意!)
 惜しいのは、上映時間が長い事。
 2時間ちょっとだから長いというほどではないものの、もう30分短ければすっきりと引き締まった映画になったのではないかと思いますね。贅沢な悩みかもしれませんが。
 正直さほど怖くはなかったのですが、じわじわと追い立てられる焦燥感が見事に描写出来ていたかと。謎を解き明かしていくサイレン前の世界と異形のクリーチャーが追いかけてくるサイレン後の世界と、メリハリが効いていたのが良かったです。
 特に、サイレンが鳴った後の、現実が剥離していく瞬間(まさしく剥離としか言う他ない!)は、美術が素晴らしかったです。否が応でも自分が立っている世界が変わったのだということを見せつけてくれました。もちろん、その世界に跳梁跋扈する異形のモンスターが迫ってくるのも、なかなか良いのですけどね。

 これはクリストフ・ガンズ監督の手腕ですね。
 ゲーム原作の映画は、大抵設定をなぞらえただけのものが多いのですが、原作の雰囲気を出そう出そうという意気込みが感じられます。映画を観てゲームをプレイしたくなったのは、本当に珍しいかと。
 これはひとえに、ゲーム版の大ファンである監督の愛でしょうね。
 全米でもヒットしたようなので、2の制作も決定したという噂も聞きます。
 監督が同じなら、期待大です。

(以下ネタバレにつき注意!)









 個人的に良かったのは、ゲームと違う、主人公を母親(ローズ)にもってきた事でしょうか。
 母性愛という普遍的なテーマを前面に出せるという利点もありましたが、事の元凶であるアレッサが、最後の大虐殺において、自分を裏切った母親を殺さなかった事に対して、「子供にとって母親は神なのよ」という台詞で返すのは、とても良かったかと。

 ところで大いに気になっているのですが。
 このラストって「バッドエンド」ですよね?
 事が終わった後も、親子は霧の世界に留まったままで、電話をしたものの通じず、自宅に帰っても、そこにいるはずの父親はいない。これはまだ霧の世界に取り込まれたままなんでしょうね。
 どこでフラグを立て損ねたのかと思ってしまうのが、ゲーマーのサガですな(笑)。
 (何でもゲームでは主人公が霧の世界を脱出するエンディングもあるとの話です)
 ……監督、2がやりたかったから続編作れそうなラストにしたな(笑)。
posted by ミハイル暁 at 10:03| Comment(2) | TrackBack(2) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんばんは、コメント・TBありがとうございます。
面白かったですね、ゲームの世界そのものの映像やアングルがまず楽しいw
で、仰るようにちょっと設定を変えているのが成功していると思います。母親の子供を救いたいという愛情の深さは使命感として映画の牽引力になっていましたし、それが母親の愛情を求めるアレッサの哀しみと最後に上手くシンクロしていたように感じました。

ヒロインがサイレントヒルに入った直後の事故で瀕死もしくは死んでしまっていて、だからこそ異世界に入れたという想定もできなくもないですよね。そうではないとしても彼女が触媒の役割を果たした時点でハッピーエンドはあり得ない気がしましたが、エンドロール最後のアレッサの微笑が意味深だったので2もあるかもしれないですねw
Posted by lin at 2006年12月06日 20:07
▼linさん
拾いモノでしたね、サイレントヒルは。
ゲームらしい展開が何とも面白かったです。拾ったアイテムは使い終わったら、落としてしまうとか(笑)。
ヒロインが死んでいるという推測は出来ますよねぇ。そう考えた方がしっくりするのもまた確か。
ともあれ、続編は作って欲しいものです。
Posted by ミハイル暁 at 2006年12月08日 01:00
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