2006年01月14日

映画『バタフライ・エフェクト』(6/5)

「バタフライ・エフェクト」
原題「THE BUTTERFLY EFFECT」/2005年アメリカ/114分

【監督】エリック・ブレス/J・マッキ―・グラバー
【脚本】エリック・ブレス/J・マッキ―・グラバー
【製作】クリス・ベンダー/A・J・ディックス/アンソニー・ルーレン/J・C・スピンク
【出演】アシュトン・カッチャー/エイミー・スマート/ウィリアム・リー・スコット/エルデン・ヘンソン

【あらすじ】
 少年時代の約束。幼馴染みのケイリーのもとを去るとき、エヴァンは“君を迎えに来る”と誓った。だが、いつしか時は流れ・・・エヴァン(アシュトン・カッチャー)とケイリー(エイミー・スマート)は別の道を歩んでいた。
 エヴァンはごく普通の少年だった・・・時折、記憶を喪失“ブラックアウト”してしまうことを除いては。記憶の喪失は、7歳の頃から頻繁に起きていた。将来の夢を絵にしてみよう、と教室で言われたとき・・・あるいは母アンドレア(メローラ・ウォルターズ)とともに過ごす午後。そして、施設に収容されている父に会いに行った際も“ブラックアウト”は起きた。アンドレアはエヴァンの脳波を精神科の医師に検査してもらうが、何も奇妙な点は見出せずにいた。精神科医は治療のため、毎日の出来事を日記につけるようにすすめる。
 エヴァンと幼馴染みのケイリー、彼女の兄トミー、そして太ったレニーが幼い頃から共に遊んでいる仲間たちだった。少年時代は永遠に続くようにと思われた。が、それはエヴァンが13歳の時、トミーが言い出した、あるいたずらによって唐突に終わりを告げる。そのいたずらとは・・・エヴァンの記憶にはその瞬間に“ブラックアウト”が起きていた。気が付いた時に、彼は森の中におり、周りには強烈なショックのあまり倒れてしまったレニー、彼を抱きかかえようとするトミー、ただ震えているケイリーがいた。エヴァンは何が起きたのかまったく思い出せなかった。しかし、何か決定的な出来事が起きたのは間違いがなかった。
 アンドレアはエヴァンを連れてその街を引っ越すことを決める。エヴァンを乗せたクルマが走り去る時、走って追ってくるケイリーの姿が見えた。エヴァンは“君を迎えに来る”と紙に書き、窓ガラスに押し付けた。
 そんな大切な約束さえも時の流れは押し流していた。心理学を勉強する大学生となっていたエヴァン。今では“ブラックアウト”が起きることもなかった。過去は遠のき、ケイリーの記憶さえ消えかけていたが、すべては平穏だった。幼い頃の日記を見つけてしまうまでは。
 懐かしい日記を紐解いたとき、“それ”は起こった。気が付くと、エヴァンの意識は、日記に書かれている出来事の中にあったのだ。鮮明に蘇る過去の記憶、あの陽光、あの空気。それは強烈なリアリティを伴っていた。夢なのか、現実なのか。少年時代の空白の記憶の一端に触れてしまったエヴァンは、もう一度、あの頃の仲間たちを訪ねたくなる。ケイリー、トミー(ウィリアム・リー・スコット)、レニー(エルデン・ヘンソン)。そして、エヴァンは知ったのだった・・・あの時のいたずらによって、彼らの人生が大きく狂っていたことを、彼が“迎えに来なかった”ためにケイリーに起きた出来事を。約束を果たしたい・・・ケイリーへの思いが、エヴァンにある決意をさせる・・・。
 エヴァンはもう一度、日記を開く。何が起きるか、彼にはわかっていた。それはいつ終わるとも知れない危険な旅の始まりだった・・・。

【感想】
 とにかく良く脚本が練られている映画でした。

 話は、過去に戻る事が出来る主人公が、歴史を修正する為に右往左往するというもの。
 ……と書くとかなり大がかりな話に聞こえるかも知れませんが、過去への戻り方も個人の特殊能力によるものだし、歴史を修正といっても好きな女性が死ぬ現実を何とかする為だけだし、でもって右往左往というよりも、単に自業自得を繰り返すだけで、マクロな視点で終始するんですけどね(笑)。
 でも(明らかに)お金はかかっていないながらも、「脚本と演出で勝負!」てな映画らしく、良く練り込まれており、お見事てな感じです。

 話の三分の一までは状況説明。
 とは言え、退屈することはなく、この時点で伏線をばしばしと用意しているので漫然と観ていると、ちと勿体ないという具合です。
 あとは、ひたすら主人公が過去に戻る為に悪戦苦闘、戻ってからも悪戦苦闘、でもって歴史を改変する度に大いに後悔するという繰り返し。
 ……こう書くと何だか救われないのですが、実際にそーなのですよ。
 でもそういう物語の構成が、なかなか興味深かったです、はい。


【総括】75点
 この映画、結構絶賛している映画サイトが多いように感じました。
 ただ個人的には「凄い!」ってほどではなかったかなぁと(苦笑)。
 興味深かったのだけど、面白かったかと言われれば、正直あまり乗り切れなかった感じがする次第。こういう仕掛けの多い脚本は好きなはずなんですが。
 何故かなと考えて、ふと思ったのは、この話って私にとっては手あかの付いた内容なのですよ。
 過去の体験で言うと、(凄いマニアックな喩えですが)ゲームブックで指セーブをして、死ぬ度に指セーブのところまで戻って、正しい選択肢をひたすら探し続ける(あるいはマップを書き始める)ようなものなんですよ、ええ(笑)。
 そういう意味では、主人公に共感は出来ますね。
 あと、この映画の感想で「歴史を改変する度に、他人の人生が変わってしまうのだから、主人公の行いは無責任すぎる!」てなものがあったのですが、現実に過去に戻ってやり直せるなら、やり直すよなぁと思ってしまうわけで。特に主人公のような境遇だと。
 ……でも、途中からは明らかに主人公の『自業自得』だけどな!

 あと一つ不満な点が。
 (ネタバレなので反転!)何でラストに主人公は死なないんだよ!? 歴史改変しまくって、あと一回すれば脳の記憶野がパンクして死ぬはずじゃなかったのでは? 結局ある意味めでたしめでたしで終わったのが、いまいち納得出来ないなぁ。むむむ。

 あー、一つ思い出した。
 これ、「ドニー・ダーコ」に似てるんだ。無駄なギミックが多い映画だったけどね。
 だがそれがいい(えっ?)
posted by ミハイル暁 at 23:26| Comment(0) | TrackBack(1) | 映画 | 更新情報をチェックする
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