
木村航「ミラクルチロル44キロ Aパート・チロルアレンジ」☆☆☆☆
【テンポ良く読みやすいだけでなく、意外性もある物語】
チロルチョコ1個で、一生を投げ捨てた少女が、あれこれ悩むお話。
……このあらすじで間違ってない、うん(笑)。
物語は、命の募金という突飛もない設定だけど、下手に深く突っ込まず、主人公である中学生のつぼみの行動力や、悩みっぷりに焦点を置いているので、話にぶれがなく、とても読みやすい。
そのくせ、介護の事などをさらっと書くのが、木村航らしいというべきか。
つぼみの感情の暴走を微笑ましく読んでたら、終盤、物語も暴走というか、思ってもみない方向に進んだのも、意外性があって良かった。
すごい気になる引きで、Aパートは終了。1月末に刊行されるBパートが待ち遠しい。