2017年09月28日

『ハルチカ』(TOHOなんば★★★★)

 1から高校の吹奏楽部を発足させる少女の物語を、主演の橋本環奈の魅力で押し切った感じの映画。
 9人の部員集めからスタートなので、ちと展開がもたつくのが勿体無いし、後半その9人の印象が薄れてしまうのも残念。大勢でやる吹奏楽部らしさは出てたかな。
 正直、話としては同じ部活ものの『ちはやふる』の方が上だと思うけど、ラストの展開は、方向性が全然違ってて良かった。
 部活でも勝負事である以上、全員が勝者にはなれない。その時、勝ち負けだけの部活では人は救えない。どう救われるか。その答えの1つがこのラストだと思う。賛否両論も分かる気がする。
 正直リアリティはないし、そんないい話はそうそう転がってない。でもフィクションぐらい、あんな風に人が救われてもいいんじゃないかと思う。あれはまさしく人が人に救われるラストだった。切磋琢磨するだけが、部活でも仲間でもない、そう思う。
ラベル:映画
posted by ミハイル暁 at 00:03| Comment(0) | 映画の一言感想 | 更新情報をチェックする

2017年09月27日

『映画ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険』(TOHO泉北★★★)

 今年はオリジナル年で、ドラえもん成分はかなり控え目。いつもの面子も大人しく、ひみつ道具もそこまで万能じゃない(大自然の脅威の方が手強い)。
 逆に、ドラえもん要素を取っ払うと、見事なまでにワクワクする大冒険ものになってる。
 南極へ、その下へ、そして10万年の過去へと、縦横無尽の大冒険っぷりが、とても愉しい。
 タイムパラドックスのトリックはちょっと雑かなと思ったけど、10万年という設定を活かしたエピローグが何とも印象深い、良いオリジナル回だった。
ラベル:映画
posted by ミハイル暁 at 23:48| Comment(0) | 映画の一言感想 | 更新情報をチェックする

2017年09月24日

『散歩する侵略者』(なんばパークスシネマ★★★★)

 ナンダコレナンダコレナンダコレ。
 観終わった後、すごく混乱しつつ、すごく愉しかった。
 人から概念を奪う異星人の侵略SFなんだけど、ホラーでもあり、コメディでもあり、そしてラブストーリーでもあるという不思議な映画。そして前半と後半の乖離がまた凄い。人から概念を奪うというアイデアもさることながら、たった3人による侵略が世界の破滅に繋がっていく展開が、監督の過去作『回路』を彷彿とさせつつ、今風でもあるのが面白い。
 個人的には長谷川博己のジャーナリストの立ち位置がよくて、演説後の振り切れっぷりが凄く好き。
ラベル:映画
posted by ミハイル暁 at 15:46| Comment(0) | 映画の一言感想 | 更新情報をチェックする

『アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場』(大阪ステーションシティシネマ★★★★)

 「事件は会議室で起きてるんじゃない、現場で起きてるんだ!」という台詞を嘲笑うかの如く、会議室でテロリストのアジトを観察し、爆撃命令を出し、爆発する瞬間もモニターで確認できる、という現代の戦争にゾッとさせられた。
と同時に、責任のたらい回しを見せつけられて、苦笑するしかなかった。
 ただ自爆テロの準備が着々と進む中、責任の押し付け合いで時間だけが過ぎていく緊張感と、パン売りの少女の命運が、遠く離れた会議室で決められる現実が重かった。
 ラストも現実的といえば現実的だし、こうなるしかなかったという気はする。またこれが不幸の連鎖になっていくだろうことを暗示させるものだったのが、重苦しい映画に相応しい結末だった。
ラベル:映画
posted by ミハイル暁 at 15:43| Comment(0) | 映画の一言感想 | 更新情報をチェックする

2017年09月23日

『三度目の殺人』(TOHOなんば★★★★)

 強盗殺人を自白した犯人と、その犯人の二転三転する発言に翻弄される弁護士。
 まったく底が見えない、不気味とも言える犯人を役所広司が見事に演じていて、終始引き込まれる。事件の真相よりも、この犯人が一体何者なのか、最後まで気になって仕方がなかった。
 勝ちにこだわるクールな弁護士の福山雅治と同じように、観客も役所広司の動機が一体何なのか、そしてそうだったのかと腑に落ちた後にやってくる、深い闇の底のような展開。
 タイトルの意味をどう捉えるかで評価が変わるかと。これは誰かと話したくなる映画だなぁ。
ラベル:映画
posted by ミハイル暁 at 08:52| Comment(0) | 映画の一言感想 | 更新情報をチェックする

『虐殺器官』(TOHOなんば★★★)

 押井守監督によるメタルギアソリッド、というのが第一印象。未来的な兵士による潜入ミッションもよく描けていたけど、それよりも登場人物達による小難しい会話劇がとても愉しかった。会話のキャッチボールも、その内容も好みだけど、咀嚼するのが大変。
 会話劇がメインだけど、物語自体もテンポよく進むので、上映時間の割に退屈しなかったのも確か。あと戦闘シーンはレーティングも納得のエグい描写満載。
 個人的には、黒沢清『CURE』を彷彿とさせる展開なのに、ラストはしっくりこなかったのが、ちょっと残念。
ラベル:映画
posted by ミハイル暁 at 08:51| Comment(0) | 映画の一言感想 | 更新情報をチェックする

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